●技術士試験の必須科目はどんな問題が出題されるのか?
●必須科目の試験対策は何をすればよいのか?
●必須科目の試験勉強するメリットは何か?
本記事では、技術士取得者の私が、経験をもとに解説します。
技術士二次試験 必須科目試験の概要
幅広いテーマから出題されるよ。
必須科目はなかなか相談できる人がいなくて、、
仕方ないかもね。これから対策方法を解説していくよ!
必須科目試験の概要
必須科目は100点満点のうち、40点の配点を占める重要な科目です。
選択科目で高い点数を出しても必須科目で点数を取れなければ合格するのは難しいです。
2018年度までは択一式の問題でしたが、2019年度の改正以降は選択科目と同様、
記述式の問題形式となりました。
600字詰め用紙3枚(計1,800字)を2時間で論述する試験のため、
中途半端な対策では太刀打ちができません。
必須科目は「技術部門」全般に関わる問題を多面的に課題抽出し、
その解決策を提示して遂行するための提案が問われます。
また技術士試験ですから、課題の抽出は当然のことながら、
エンジニアリングの観点から行う必要があります。
必須科目試験で出題されるテーマ
「技術部門」全般の現代社会が抱える課題として、
例えば「建設部門」では以下のテーマが考えられます。
・社会資本整備
・防災、減災対策
・国際化、地球環境問題 など
必須科目は2題出題されるうち、1題を選択して解答する形式となっています。
そのため、分野を絞って勉強することも可能ではありますが、2題ともに対策していない
分野から出題されるとその時点で合格の可能性は著しく低くなります。
どのような分野の問題が来ても解答できるように
万遍なく対策をとることをおすすめします。
まとめ
〇 必須科目は配点の4割を占める重要な科目
〇 選択科目と同様、記述形式(1,800字)の試験
〇 「技術部門」全般に関わる現代社会の課題を幅広いテーマから問われる
技術士二次試験 必須科目試験の対策方法
ここでは、私が受験したときの対策方法を紹介します。
私が受験したのは「建設部門」のため、参考書は建設部門向けとなっていますが、
大枠の対策方法は他の部門でも参考になると思います。
対策方法の概要
■対策方法
① 国土交通白書をざっと読む
② キーワードの整理
参考書籍「技術士試験 〇〇部門 傾向と対策 CEネットワーク編」
③ 最新の国土交通政策の情報収集
参考書籍「国土交通白書2024の読み方」(※毎年発行されています)
④ 設問に答えられるように「キーワードの概要」「〇〇部門における課題」
「課題解決方法」「解決策に共通して新たに生じるリスクと対策」を
ノートにまとめる
⑤ 過去問・予想問を解く→添削
⑥ 時間をはかって過去問・予想問を解く
対策方法の詳細
①国土交通白書をざっと読む
まずは白書で技術部門全般の課題を把握します。
ここでは、内容を覚えようとせずに、「このような課題があるのか」と
俯瞰的に斜め読みするぐらいでよいです。
② キーワードの整理
「社会資本整備防災」「防災、減災対策」「国際化、地球環境問題」などの
大きなテーマごとにキーワードをノートに整理します。
参考書籍「技術士試験 〇〇部門 傾向と対策 CEネットワーク編」にキーワードが
分かりやすく整理されているので、本書を利用するのがおすすめです。
また本書は過去問・予想問の解答例が掲載されているので、
この時点で問題の問い方や合格論文のレベル感を把握しておきましょう。
③ 最新の国土交通政策の情報収集
近年の必須科目試験は法改正に問題を絡めるなど時事的な問題が多くなっているので、
最新の国土交通政策について情報収集します。
国土交通白書を読んだから十分ではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、国交省HP等に掲載されている情報の方が詳細にまとめられており、
論文対策としてはこちらの方が役に立ちます。
そのため「①国土交通白書をざっと読む」はあまり時間をかけずに
斜め読みするぐらいで大丈夫です。
具体的にどのHPを見ればよいかについては、
参考書籍「国土交通白書の読み方」に詳しく書いてありますので、
本書を活用するのがおすすめです。
④ 設問に答えられるように「キーワードの概要」「〇〇部門における課題」「課題解決方法」「解決策に共通して新たに生じるリスクと対策」をノートにまとめる
②「キーワードの整理」のキーワードごとに、
③「最新の国土交通政策の情報収集」で得た情報をノートに整理します。
私は情報収集した資料のコメントをコピペできることや検索性に優れることから、
wordを利用して整理を行っていました。
作成したノートがそのまま論文試験の解答として使用できるように、
「〇〇部門における課題」などは、多面的な観点から課題を抽出します。
↓実際に私が作成したノートの一例です
⑤ 過去問・予想問を解く→添削
ノート作成が出来たら、過去問・予想問を解いていきます。
先ほど紹介した「技術士試験 〇〇部門 傾向と対策 CEネットワーク編」に
テーマごとの予想問題が掲載されているので本書を利用するのがおすすめです。
最初は自らが作成したノートを見ながら問題を解いてOKです。
解答を書くことができたら、会社の先輩などに添削してもらい、
記述内容の方向性などに誤りがないか確認してもらいましょう。
もし会社に添削してもらえる先輩(技術士取得者)がいない場合は、
通信講座を利用するのも1つの手です。
技術士二次試験は独学でも合格可能な試験ではありますが、
論文記述の独特な試験のため、技術士有資格者による添削指導は必須になります。
⑥ 時間を測って過去問・予想問を解く
添削をしてもらい、軌道修正することができれば
後は時間内に問題を解けるようにするだけです。
本番と同様、2時間以内に問題を解く練習を何回も行いましょう。
繰り返し問題を解くうちに自然と自らにとって最適な時間配分が見つかります。
また⑤から⑥に移行する段階で、ノートの内容を何度も見返して
記述内容を覚えていく必要があります。
ノート整理までは出来ているけど、なかなか内容を覚えられないという方は、
参考書「聴く!技術士二次試験一発合格のツボ」をおすすめします。
勉強時間が確保できない中でどのように効率的に勉強していくかを詳しく解説しています。
↓本ページで掲載した参考書はこちらのページで詳細に紹介しています
最後に
以上、私が実際に行った必須科目の勉強方法を紹介しました。
③「情報収集」と④「ノート作成」をしっかりと行うことができれば、
本番でどのような問題が出題されても安心して臨むことができます。
また時事的な要素もあるとはいえ、特に建設部門では社会資本整備や
防災・減災対策など昔からずっとある普遍的なテーマが多いです。
ここで体系的に整理したことは、技術士試験に合格した後も役立つときがくるはずなので、一生もののノートをつくる気持ちで取り組むとより一層の身が入ります。
必須科目で身に付けた教養によって技術士試験を受験した後に、
より視座を高くして業務に取り組むことができます。
試験対策のために山勘でキーワードを覚えるのではなく、
なぜこのテーマが社会的な課題となっているかを自らで問いましょう。
問いの意味を納得しながら勉強することで、他人が読んでも分かりやすく、
かつ説得力のある論文が書けるようになります。
↓独学の勉強方法についてもこちらで紹介しています