●技術士【総合技術監理部門】記述式試験の勉強方法を知りたい。
本記事では、総監技術士の私が解説します。
出題傾向も読むことが難しいね。
ここでは実際に僕が行った対策方法を紹介するよ!
総合技術監理部門 記述式試験の概要
試験概要
記述式では、総合技術監理の5つの管理の観点より、
課題解決能力及び応用能力の資質が問われます。
解答用紙3,000字(600字詰×5枚)以内で、試験時間は3時間半です。
一般部門の「Ⅲ選択科目」が1,800字(600字詰×3枚)でしたので、
総監部門の記述式のボリュームがいかに大きいか分かると思います。
過去問題の出題傾向
直近の過去5年間で出題された問題のテーマは以下のとおりです。
過去問の出題傾向を見て分かるように、テーマは捉えどころがなく、
様々な観点から出題されていることが分かります。
令和5年度:企業や組織におけるSWOT分析
令和4年度:DXによるビジネスやプロセスの変革
令和3年度:データの収集・解析・利活用
令和2年度:将来の自然災害リスクに対する事前対策(BCP)
令和元年度:ヒューマンエラー防止や影響の軽減
解答で求められる視点
記述式試験では、どのような出題テーマ・形式であっても
総監の視点で解答しなければなりません。
総監の視点は、技術士HP掲載の「文科省キーワード集」に以下のとおり示されています。
業務全体を俯瞰し、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理に関する総合的な分析・評価に基づいて最適な企画、計画、実施対応等を行う
特に解決策を問う設問の解答では、上記の視点が受験者には求められています。
まとめ
●解答用紙3,000字(600字詰×5枚)、試験時間は3時間半
●出題テーマ・形式は毎年変化する
●設問の解決策は、5つの管理技術とキーワード集の視点で解答する
総合技術監理部門 記述式試験の対策方法
対策方法の概要
ここでは、実際に私が受験したときの対策方法を解説します。
(本方法により、令和5年度の筆記試験に合格しました。)
■ 記述式試験の対策方法
①業務経歴の棚卸をする
②総監キーワードの把握
③過去問の解答をノートにまとめる
④過去問の解答を添削してもらう
⑤時間を測って過去問・予想問を解く
①業務経歴の棚卸をする
総監試験の記述式では、業務経験をもとに解答することが大半です。
過去問では、「これまで経験したことのある、あるいはよく知っている事業について
〇〇を答えなさい」といったかたちで出題されています。
そのため、経験業務について以下の内容を整理しておきましょう。
●業務概要、目的、成果物
●5つの管理技術の視点での課題と解決策
●管理技術間におけるトレードオフの課題と解決策
また令和4年度(DX)や令和5年度(SWOT分析)のように、
自らが所属している組織について分析・評価する出題もされています。
そのため、業務経験に加えて、組織の課題と解決策についても
5つの管理技術やトレードオフ観点で整理しておきましょう。
②総監キーワードの把握
次に総監キーワード集の内容を把握します。
これは様々な方法があると思いますが、私が一番分かりやすいと思ったのは、
参考書籍「技術士試験 建設部門 傾向と対策 CEネットワーク編」です。
本書は、総監キーワードをツリー状で体系的に整理しているので、
身につけるべき専門用語を視覚的に頭に入れることができます。
またキーワードを確認する際は、記述式の解答で
使用できるものかどうか意識するようにしましょう。
手法・技法や仕組みなどが記述式で使用できるキーワードになります。
例えば、ナレッジマネジメント(情報管理)、
フォールトトレランス(安全管理)などが該当します。
具体的には、下記のようにキーワードを活用しながら解答します。
「地震などの自然災害に備えるために、フォールトトレランスとしての
システムの冗長性確保が安全管理上の課題となる。」
③過去問の解答をノートにまとめる
次に、過去問の解答をノートにまとめます。
紙のノートでも構わないですが、編集作業の容易さを優先してwordを使用しました。
最初のうちは、0から解答を作成するのは難しいため、論文解答例が充実している
「技術士第二次試験「総合技術監理部門」難関突破のための受験万全対策」や
「技術士試験 建設部門 傾向と対策 CEネットワーク編」を
参考にしながら解答を作成します。
勉強を始めたばかりの段階では、参考書の記述内容を
部分的にマネしても構わないと思います。
マネをすることで論文構成や解答の視点の型を身に付けた後に、
徐々にオリジナリティを出していきましょう。
↓実際に私が作成したノートの1例です
④過去問の解答を添削してもらう
総監技術士を取得している会社の先輩などに添削してもらい、
論文全体のまとまりや総監視点の解答が出来ているかについて確認してもらいましょう。
もし会社に添削してもらえる先輩(総監技術士)がいない場合は、
通信講座を利用するのも1つの手です。
技術士総監は独学でも合格可能な試験ではありますが、
記述式問題は特にハイレベルなため、専門講師による添削指導も考えてみましょう。
⑤時間を測って過去問・予想問を解く
添削をしてもらい、軌道修正することができれば
後は時間内に問題を解けるようにするだけです。
本番と同様、3時間半以内に問題を解く練習を何回も行いましょう。
繰り返し問題を解くうちに、自らにとって最適な時間配分が見つかると思います。
最後に
VUCAの時代と呼ばれる昨今、総監技術士の重要性は
ますます高まっているように思います。
個別業務の課題解決にとどまらず、組織や事業の複雑な課題を中長期視点で改善を行うことができる総監技術士は今後、顧客や企業にとって大きな存在になると私は考えています。
ビジネスパーソン1人1人の変化と成長が求められる今、技術士最高峰の証である総監を
取得して、次なる一歩を踏み出していただければと思います。