G-NFHKCFY6CH
技術士資格の概要

技術士とは 理系最高峰の士業である技術士について解説

●そもそも技術士とは何か?
●技術士の社会的役割とは?

本記事では、技術士取得者の私が解説します。

 

オリーブ
オリーブ
そういえば技術士はどういう資格か知っている?
受験者さん
受験者さん
うーん。仕事で必要だから受けるという感じだし、
しっかり考えたことないかな。
オリーブ
オリーブ
そうだよね。でも技術士ができた背景を知ると、この資格を
とる意味が理解できるから、ちゃんと抑えておこう。
受験者さん
受験者さん
確かにどういう成り立ちなんだろう。。
少し興味出てきたかも!

 

技術士とは

技術士法では、技術士を以下のように定めています。

「技術士として登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。」

 

この条文を見て分かるように、技術士は単に専門的な知識を
もっているだけの人ではありません。

専門知識やその応用を駆使して、計画や設計など実務を
行うことができる者が技術士として
定義されています。

 

なぜ技術士がこのように定義づけられているか理解するためには、
技術士法が制定された背景を知る必要があります。

 

 

技術士法が制定された背景

技術士法が制定されたのは1957年です。

当時は高度経済成長期の初期にあたり、科学技術立国をして先進国に追いつくために、
技術者への奮起が強く要請されていました。

しかし、技術開発や計画・設計・施工が盛んにおこなわれる中で、
粗悪な品質のものが出来たらどのようになるでしょうか。

科学技術への信頼が損なわれ、事業を進めることができず、
ひいては国民経済の発展も思い通りにいかなくなります。

 

そのため、社会的責任をもって、
適正に業務を行うことができる技術者が必要となりました。

そこで、国は国家試験により高い能力を持った技術者を選抜し、
他の技術者とは区分して、技術士を名乗る権利を与えました。

これは技術士が名称独占資格である理由にもなっています。

 

以上のような背景から、米国の制度を参考に技術士制度が創設され、
技術士法が制定されています。

 

 

技術士の社会的役割

技術士法が制定された背景を知ると、おのずと技術士の社会的役割も見えてきます。

技術士は科学技術に関する高等な専門的応用能力を用いて適切に業務遂行や指導を行い、
安心・安全な社会をつくり、国民経済を発展させることに社会的役割があると言えます。

 

技術士法には3義務2責務というのがありますが、
3義務のうちの1つに「信用失墜行為の禁止」というのがあります。

この信用失墜行為を行った結果、科学技術に対する国民の信頼を損ねると、
科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする業務が適正に実行されず、
国民経済の発展にもつながらなくなり技術士法の目的が達成できなくなります。

 

このように歴史的背景を知ることで、
技術士という資格の解像度が上がったのではないでしょうか。

 

「技術士とは」や「技術士の社会的役割」は、口頭試験でも試問される内容でもあり、
最も根幹をなす部分である一方で、得てして素通りをしてしまうことが多いと思います。

ここで紹介した内容はあくまで一つの解釈となりますので、技術士資格の取得を目指すに
あたって、「そもそも技術士とは何なのか?」を
考えてみることをおすすめします。

 

技術士を理解することによって、合格への動機付けがはっきりとして、
合格後のなりたい自分がみえてくるようになります。