●技術士【総合技術監理部門】とは何か?
●技術士【総合技術監理部門】の試験概要を知りたい。
本記事では、総監技術士の私が解説します。
よし、分かった!試験概要を解説するよ!
総合技術監理部門とは
総合技術監理の概念は毎年技術士HPにて公表される
「キーワード集」に掲載されています。
総合技術監理部門が制定された背景は、
キーワード集の内容を要約すると以下のとおりとなります。
科学技術が総合化複雑化する現代社会において、1つの専門技術だけに限られた技術力では、プロジェクト遂行に伴って起こる様々な問題対して備えたり防いだりすることに限界がある。専門技術的に妥当な業務管理をするだけでなく、公益を損ねることがないように総合的に管理しながらプロジェクトを遂行することが求められる時代になっているため、総合技術監理部門が制定された。
また総合技術監理の技術体系として、骨格となる5つの管理技術を定めています。
・経済性管理
・人的資源管理
・情報管理
・安全管理
・社会環境管理
各管理技術の特性や範囲を一言で表すと、以下のとおりです。
・経済性管理は、QCD(品質・コスト・納期)バランス
・人的資源管理は、人の能力発揮と向上
・情報管理は、意思決定を行うための情報収集。セキュリティと知の管理
・安全管理は、労働安全衛生管理
・社会環境管理は、外部環境負荷低減
筆記試験
出題内容
総合技術監理部門の試験は「Ⅰ必須科目」と「Ⅱ選択科目」があります。
ただし、既に総合技術監理部門以外のいずれかの技術部門の技術士であれば、
「Ⅱ選択科目」は免除されるため、「Ⅰ必須科目」のみ受験科目として該当します。
総監以外の一般部門の技術士を取得してから、総監部門の取得を目指すケースが
主流のため、多くの方は「Ⅰ必須科目」のみ受験することになると思います。
(試験日は異なるため、一般部門との併願も可能です。)
「Ⅰ必須科目」は、択一式と記述式の2種類があります。
択一式では、総合技術監理の5つの管理から40問出題(管理項目5つ×各8問)されます。
試験時間は2時間です。
記述式では、総合技術監理の5つの管理の観点より、
課題解決能力及び応用能力の資質が問われます。
解答用紙3,000字(600字詰×5枚)以内で、試験時間は3時間半です。
一般部門の「Ⅲ選択科目」が1,800字(600字詰×3枚)でしたので、
総監部門の記述式のボリュームがいかに大きいか分かると思います。
配点と合格基準
「Ⅰ必須科目」の配点は択一式と記述式ともに50点満点の計100点満点です。
択一式と記述式の合計で60%以上の得点が合格の目安となります。
ただし、択一式と記述式の得点に偏りがある場合(例えば、択一式75%、
記述式50%など)、口頭試験で不利になる傾向があるため、
択一式と記述式ともに60%以上の点数を獲得することが望ましいです。
まとめ
●択一式は総監5つの管理(経済性管理、人的資源管理、情報管理、
安全管理、社会環境管理)から40問出題
●記述式は総監としての資質能力が問われ、3,000字(600字詰×5枚)の
解答が求められる
●択一式と記述式ともに50点満点。
択一式と記述式の合計で60%以上を得点すれば合格となる。
口頭試験
一般部門の1,800字でも苦労したのに。。
言われるだけはあるよね。。
口頭試験で落ちたら筆記から受験し直しだから気をつけて!
出題内容
口頭試験は、総監技術士としての①経歴及び応用能力②体系的専門知識が問われます。
試問時間は一般部門と同様の20分です。(試問状況に応じて10分程度の延長あり)
配点と合格基準
配点は①経歴及び応用能力が60点満点、②体系的専門知識が40点満点です。
①②の各試問事項について60%以上の得点で合格となります。
まとめ
●口頭試験では総監技術士としての①経歴及び応用能力②体系的専門知識が
問われる。
●試問時間は約20分。60%以上の得点で合格となる。
受験資格
一定の実務経験年数が必要
大卒で入社時に修得技術者の場合は、実務経験7年が必要になるため、
入社8年目以降に第二次試験を受けられます。
院卒で入社時に修得技術者の場合は、大学院で研究に従事した期間も実務経験に
含まれるので、大学院研究2年+会社での実務経験5年が必要になるため、
入社6年目以降に第二次試験を受けられます。
※修得技術者:技術士補の有資格者であることを技術士会に登録している者。
まとめ
●修得技術者になってから7年間の実務経験が必要である
●大学院で研究に従事した期間も実務経験に含まれる