●技術士二次試験は独学で合格可能なのか?
●独学の勉強はどのようにすればよいのか?
本記事では、技術士取得者の私が、経験をもとに解説します。
技術士二次試験は独学で合格可能か?
分かったよ。資格スクールに通わないと合格は難しいかな。
合格することも可能な試験だから心配しないで。
でも独学といってもどうやって勉強すればいいのか。。
ここでは僕がおこなった独学での勉強方法を紹介するよ。
技術士二次試験は独学で合格可能
技術士二次試験は理系最難関の資格試験ではありますが、独学での合格は可能です。
私自身、市販の参考書のみ使用して建設部門を一発合格していますし、
会社の周りの方でも独学で合格を勝ち取っている方は多くいます。
(ここでは「独学=資格スクールや通信講座を使わずに勉強すること」を指しています)
技術士取得者による添削指導は必要
ただし、完全に独力で合格するのは難しいというのもまた事実です。
私も会社の技術士を持っている先輩に論文の添削指導をお願いしましたし、
普段の励ましやサポートも心の支えとなりました。
専門知識の基礎固めは独学でできる一方で、合格レベルの論文を作成できるように
なるためには、やはり第三者の目が必要となる方がほとんどだと思います。
そのような意味で「自分の周りに論文の添削をお願いできる人がいるか?」は
受験を決めた段階で確認しておきましょう。
独学の勉強方法
ここでは私が実際に行った勉強方法を紹介します。
■ 勉強のステップ
① 技術士二次試験の概要把握
② マインドセットを整える
③ 模範解答例を読む
④ 勉強スケジュールを立てる
⑤ キーワードノート作成
⑥ 過去問題・予想問題の演習
⑦ 技術士による添削指導
① 技術士二次試験の概要把握
試験概要を把握するべき理由
まずは技術士二次試験の概要把握です。
手始めの概要把握としては本ブログのようなWEBサイトからでもいいですし、
市販の参考書でもよいと思います。
孫氏の兵法で「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があります。
これは、「向かう相手の実情と自分の実力を正しく知ることで、
負けない戦い方ができる」という意味のことわざです。
まずは相手(=技術士二次試験)を知ることで、
どのような戦略を練って戦いに望むことができるか考えられるわけです。
人は情報がないと正しく動く(=合格に必要な学習を行う)ことは難しいですが、
正しく情報を集めていれば、自然と理にかなった行動ができるものです。
まずは相手を知り、自分の実力とどれほどの距離感があるのか把握をしましょう。
試験概要を把握する方法
試験概要は以下のような方法で把握することができます。
・市販の参考書
・過去問題(技術士HPよりダウンロード可能)
・技術士二次試験の受験体験記(sukiyaki塾)
おすすめの参考書はこちらで紹介しているので、
参考書選びに迷っている方はぜひご覧ください。
失敗体験談の活用
技術士二次試験の受験体験記は「sukiyaki塾」というWEBサイトが充実しています。
この「sukiyaki塾」の受験体験記がよいのは、合格体験記だけではなく、
失敗談も掲載されていることです。
人の合格体験はそれこそ合格者の数だけあり、
万人に共通して適用できるノウハウはないと思っています。
(本ブログで紹介している勉強方法も例外ではなく、あくまで合格体験のひとつです)
しかし、「この対策の仕方を間違えて試験に落ちてしまった」という失敗は
多くの受験者に共通する落とし穴だったりします。
そのため、事前に体験記を読み、その体験者と同じ失敗を未然に防ぐことは重要です。
また様々な受験者の勉強方法や受験期間に考えていたことが掲載されており、
モチベーションアップになるので、一度WEBサイトを訪れてみることをおすすめします。
② マインドセットを整える
技術士二次試験の概要は把握したところで次に行うのは、
合格するためのマインドセットを整えることです。
繰り返しとなりますが、技術士は理系最高峰の難関資格です。
何となく対策を行い、何となく受験をしても合格するのは難しいです。
「なぜ技術士試験を受験するのか?なぜ資格をとりたいのか?」
合格するための心の準備は非常に重要となるので、これ以降の勉強ステップを
進める前に一度、自らに問いかける時間を確保することをおすすめします。
③ 模範解答例を読む
次に行うのが「模範解答例を読む」です。
「②マインドセットを整える」により試験に望む姿勢が変わったところで、
さらに試験内容の詳細を把握していきます。
ここでの目的は、①「技術士二次試験の概要把握」と同様、
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。
相手(=試験問題と合格論文のレベル)と自分の現在の距離間を知ることで、
どのような対策にどれほど時間をかける必要があるのか把握することが目的です。
模範解答例が掲載されている参考書は以下にまとめているのでぜひご覧ください。
④ 勉強スケジュールを立てる
試験概要把握とマインドセットを整えることができたら、
勉強スケジュールを立てましょう。
勉強スケジュールの立て方はこちらにまとめているのでご参照ください。
⑤ キーワードノート作成
勉強スケジュールを立てたら、いよいよ本格的に学習のスタートです。
いきなりではありますが、私としては「キーワードノート作成」が
技術士試験勉強の最重要ポイントと考えています。
ここで、どれほど充実したノート作成を行うことができるかが
合格の成否を決めるといっても過言ではありません。
特に、「③模範解答例を読む」で専門知識の不足を感じた方は
ここに多くの時間を当てられるように勉強スケジュールを立てましょう。
またキーワードノート作成と並行して、ノートに書いた内容を覚える必要があります。
この方法については参考書「聴く!技術士二次試験一発合格のツボ」に
かなり詳しく書いてありますので参考にしていただくことをおすすめします。
私も本書の内容を大いに活用して、
膨大なキーワードノートの内容を覚えることに成功しました。
⑥ 過去問題・予想問題の演習
キーワードノートの作成ができたら、過去問題・予想問題の演習に移ります。
最初のうちは問題に太刀打ちができないかもしれませんが、その場合は、
模範解答例の模写やキーワードノートを見ながら解答を作成しても構いません。
まずは正しい型を身に付けることが大事です。
また最初の時点では時間を大きくオーバーしてしまっても問題ないです。
正しい型を身に付けて何度か答案練習を行い、キーワードノートの内容を
覚えることができたら、必ず時間内に論文を書き上げる力がつくときがやってきます。
⑦ 技術士による添削指導
添削指導を早めに受ける
「⑥過去問題・予想問題の演習」に進んだら、
早めに技術士の先輩に添削指導を受けてください。
最初のうちはキーワードノートを見ながら作成した答案でも問題ありません。
添削を行ってもらい、自らの弱点がどこにあるのか
(専門知識の不足か?分かりやすい文章が書けていない?)把握しましょう。
早めに弱点を知ることで、試験当日までに軌道修正を行うことができます。
複数の上司・先輩に添削指導を受ける
またできるだけ複数名の方に添削指導を依頼してフィードバックを受けましょう。
技術士取得者でも添削を行う際の着眼点が異なることが多々ありますので、いろんな方の
指導を受け、その中で自らの腑に落ちたものを取り入れて軌道修正を行いましょう。
また最低でも一人は、過去5年以内に合格した方に添削をしてもらうのがよいです。
2019年試験改正により問題の傾向が依然と比べて大きく変わっていますので
最近合格した方のほうがより具体的なアドバイスを受けられる可能性が高いためです。
外部機関(通信講座)の活用
会社の上司・先輩等で技術士を所有している方が少なく、添削指導が受けられない
環境の方は、添削指導を受けることができる通信講座を活用するのがおすすめです。
また会社の方にこれまで添削指導を受けていたが、指導の内容に物足りなさを感じており、
行き詰っている方も外部の通信講座を検討してみるのもよいと思います。
やはり上司・先輩も仕事やプライベート等で忙しく、人によっては100%に力をもって
添削に当たれていない可能性があります。
添削指導の経験が豊富な講師から質の高いフィードバックを受けることは、
一気に合格まで飛躍する助けになるでしょう。
時間を測って問題を解く
最後に、添削指導を受けて論文の軌道修正を行うことができたら、
あとは「本番と同じ条件で数多く問題をこなす」ことを繰り返しましょう。
技術士二次試験は時間との戦いでもあります。
苦手分野の問題がきても必ず時間内に論文を書ききる本番での対応力を
身に付けるためには、「時間を測って解く」を繰り返すことが重要になります。
まとめ
以上、私が技術士試験を受験した際の勉強方法をステップ順で紹介しました。
繰り返しとなりますが、学習のベースは独学でも可能である一方で、合格レベルの論文を
仕上げる過程では、質の高い添削指導を受けられるかがポイントなります。
「会社や自分の周りで添削指導を頼める人がいるか?」
「その添削指導は自分が満足するものか?」
技術士試験は1年に1回しか受験のチャンスがありませんので、「満足いく添削指導が
受けられる環境にいるか?」を考えてから、試験対策に取り組むことをおすすめします。